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照りつけるジャングルの広場で、やっとの思いのお弁当です。上半身裸の背中に汗が光っていると、どこからかハチがやってきて、瞬く間にみんなの背中はハチで真っ黒になり、ブンブンいっています。ちょっとでもわきを締めると刺されますから、ひじを上げたままご飯を食べなければなりません。 困り果てた私の姿がよほどかわいそうだったのでしょうか「オイ!西島!竹はおれたちが切ってやるから、お前はキジの卵かヤマ芋でも見つけてこい」とのこです。要領を習って、やっと掘り出してきたら「トロロにしろ」という注文です。 最初は粗い石の上ですりおろしましたが、それでは砂が混じりそうです。考えた末、缶詰の空き缶を開いた平たいブリキ板にし、クギで穴を開けて「おろしがね」を作り、見事トロロにして褒められました。 またあるときは、包帯で灯心を作ってランプ代わりに使っていた英軍支給の缶入りバターを溶かし、その中にトロロを落として、てんぷらコロッケのようなものを作ってみんなに喜ばれたこともあります。 キジの卵は、背の高さぐらいのアシがいっぱい生えた原っぱの中にしゃがんで、親鳥が帰って来るのを待つのだそうです。だれもいない茶褐色の草原に一人でジーッとしていると、オオカミが襲って来そうでもあります。 やがてバタバタと羽ばたきの音が聞こえて、一直線にキジが降りてきたのでその地点を探しましたが、キジはサーッと横に飛んで、巣はありませんでした。
こんな竹伐採の重労働がたたったのか、軍隊に入ってから三年間一度も病気をしなかった私がマラリアにかかり、四〇度の高熱を出して病室に収容されてしま この病室の気休めに、メルギー島での思い出の絵をかいたり、またスケッチを始めたりしました。今度は色付きの絵です。赤色は傷薬の「赤チンキ」、黄色はマラリア特効薬の錠剤「キニーネ」を溶かしたもの、ブルーはインクを使いました。 墨は大切に持っていましたが硯(すずり)がありません。同年兵にジャングルの中の黒檀(こくたん)の木を拾ってもらい、それを削って硯を作りました。 (1993年 画家 著書より)
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