
|
基地上空に英軍の偵察機が飛んで来て二、三日たつと、夜は決まって爆撃機が、基地の前の水道やマングローブ湿地帯に磁気機雷を投下していきます。 すると特別警戒態勢になって、私は班長と一緒に海岸に作られた防空ごうの中で機関銃を構えての当直です。じっと空をにらんでいると、時々ブヨがほおにた 戦闘帽の中には機銃の射撃音から鼓膜を守る「護耳器」という耳栓を入れていましたが、上官がスパナで鉄カブトの上から頭をガチンとなぐると、割れてしま 「なんでキサマ!頭の中に入れとくのか!兵器を壊したのはお前だ」と言ってなぐられました。自分がたたいておきながら、私の頭の骨が硬過ぎたような言い 「水魚の交わりとは何か?」 「ハイッ!水と魚のように仲むつまじくすることであります」 「何いッ!むつまじくとは何だ!キサマ、いやらしいやつだ!仲よしだけでよかッ」ボイーン! 答えてもたたかれるし、答えなければなおさらのこと…まったく軍隊というところは世間の常識が通りませんから、とぼけて答えを間違えたほうが上官は機嫌 ある夜、 「ビクビクするな!これば食え!」 お皿に山盛りのオハギを差し出されました。真鍋兵曹と修猷館中学同窓で、マレー半島の宣撫(せんぶ)工作など担当の陸軍特務機関将校だそうです。聞いた 戦後、この方とは西日本新聞社で再会しました。「私がビルマのときの木村節夫たい。覚えとるな…」将校は笑顔の新聞記者に戻ってありました。 (1993年 画家 著書より) ![]() |