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私は、ほんとうは商品や観光のポスター、或いはマークやパッケージや、面白い広告を作り出すのが本職ですが、どうしたことか、とうとう童画家のようになってしまいました。
それは私が、流行の先端を行くデザインという仕事が、馬齢を重ねる毎に、どうしても気性に合わなくなったからのようです。
私は子供の絵を描くときに、けがをしたり病気したり独りぼっちにするのがかわいそうでなりません。
竹とんぼを飛ばすこの前に人物を配すると危ない。山盛りのかき氷を食べるとおなかをこわしますので二人で分けます。夕焼けの丘に一人子供を描けば芸術的でしょうが、もう一人友達をつけてあげたいのです。石を投げる子の前に池があると落ちるのが気になり、カエルを踏みつぶしてもなりません。
今では休日に「小学唱歌集」のカセットテープやCDを聴きながら、一人で童画を描くときが最高の楽しみなっていますし、夜は布団の中で目をつむっては子供の頃を思い出すのが癖にさえなっております。もし童画が私の仕事から消えたら、寝付かれないのではなかろうかと思うくらいになってしまって、私は幸せもんだといつも世の中に感謝しています。
(1993年 画家 著書より)
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